三周年をお祝いしよう!


私の数少ない創作仲間であり、日頃からとてもお世話になっている紙森けいさんのサイトが開設三周年を迎えられたということで、お祝いに久々の対談企画を決行いたしました。
紙森けいさんは『卯月屋文庫』(別窓)の管理人様で、現代小説を中心に数多くの作品を書いていらっしゃいます。今回は物書き同士、女同士、オヤジ・スキー同士、深く掘り下げた質問も交えながらお話を伺ってまいりたいと思います。
以下、青字が紙森けいさん、黒字があおばの発言となります。




<サイトについて>

まずはサイト開設のきっかけからお話ください。
転職してカレンダー通りに休日が取れるようになりまして、そのおかげで何年かぶりに、友人のお手伝いとしてですが、イベントに参加することになったんです。
会場の熱気溢れる雰囲気にすごく刺激を受けて、十年ぶりくらいに小説を書きました。
そうなると人間、欲が出て参りまして、読んでもらいたくなるわけですよ。

あ、その気持ちはすごーく良く分かります。書いたら読んでもらいたいし、作ったら食べてもらいたいと思いますよね。
でも紙媒体での活動は無理だとわかっているし、どうしようかと思っていたらHPを開設している友人が、「今は簡単にHP作れるよ」とビルダーの存在を教えてくれたんです。
それがきっかけです。

では、サイト名の由来は?
和風のサイト名を付けたかったんです。
四月生まれなので、四月を和名表記にして、後は語呂の言いように付けました。

サイトを運営するにあたって、一番心がけていることは何でしょう?
シンプルで、読み物が読みやすいようにと。
と言うか、HP作りは素人なので、あまり色々なことが出来ないんですが。
でも各ページに統一感を持たせて、どこを見ても『卯月屋文庫』だとわかるようにしているつもりです。
それと、せめて一ヶ月に一本は小説を更新しようと。
小説のサイトですからね(笑)。


この三年を振り返って、一番嬉しかったこと、辛かったことを話せる範囲でお願いします。
「何度も読み返しています」と言って頂いた時は、とても嬉しかったです。
書いたものに対しての反応は、コメントにしろ、拍手にしろ、本当に嬉しい。
辛かったことは、幸いなことに今のところはないです。
あ、スランプの時はもちろん、辛いですけどね(笑)。

サイトを運営していて良かったなと思うことは?
他サイトの管理人さんと交流が持てたこと。
それによって様々な小説を読むようになりました。
私は字書きなのですが、小説は教科書で読む以外、ほとんど読まなかったんです。
でも交流を通して書かれるものを読ませて頂き、それによって刺激を受けました。

確かに我々ネット上で創作活動をしている者にとって、他のサイトの管理人さんと交流が持てるのは、とても心強いことですよね。
それにスランプの時に愚痴ってもわかって頂けるし(笑)、それからコラボレーションやインスパイアによって作品を書いたりすると、視野が広くなったり、勉強になったりしますから。
「良かったこと」であり、前問の「嬉しかったこと」でもあります。

読者の方からの感想も本当に励みになるし、「こういう視点から読んでくださったのかぁ」と参考になる意見もたくさんあるのですが、書き手側の方々と話をすると、また別の意味で刺激になりますよね。
私の場合、刺激というより指摘を受けることのほうが多いですが……(汗)

と、ところで、サイト運営に割く時間は週にどのくらいですか?
う〜ん、日記を週に一回か二回更新する程度なので、そんなに時間を割いていないかも。
BBSやキリ番などの読み手さんと直接交流する場もないし、サイトへのメールなどもほとんどありませんから。

いえいえ、日記を定期的に更新されているだけでも、凄いことだと思いますよ。
以前、小説に背景を付けていた時には、その素材探しに時間を取られたこともありましたが、今は背景を付けないことにしたので、更に楽になりました。
プチ改装の時や、小説をUPした時は一日がかりになりますけどね。

今後の予定について。挑戦してみたい企画や作品等ありましたら、教えてください。
卯月屋はBL主体サイトなのですが(笑)、あまりにも作品の内容が地味で、BL特有の華やかさに欠けているように思います。
やはり華やかと言えばエロティシズム(本当か?!)
うちにはそれが決定的に欠如しているのは、ご存知の通りでして。
なので、エロな話も書いてみたいなぁと。
即物的な表現や擬音や声を文字にしなくても、そこはかとなくエロが感じられるような、そんな話を書きたいです。
とりあえず2008年の12月にチャレンジしてみようかなと、密かに計画中。
あ、でも私が書くんですから、結局、温く終わってしまうかもです(すでにヘタレ宣言・笑)。

いえいえ、今連載されているAC(Another Color)シリーズ(別窓)などは充分に感じられましたよ。
個人的には、「そこはかとなく感じるエロ」こそ、最も萌え魂を掻き立てられると思うのですが……さて、ここでもう一歩踏み込んで質問です。

男性がセクシーだと思う場面について語っていただきましょう。
まず、男性の体で一箇所挙げるとすれば、どの部分に色気を感じますか?
色気と言いますか、手フェチなので(笑)、手はよく見ます。
手の動きに個性が出ますし、書類書いている時の動きとか、見ていてうっとりしますね。
仕事をしている手は美しいです〜。

仕事のお話が出ましたが、具体的に妄想が掻き立てられる職業は?
「手に職」とか気になります。
会社勤めなら、技術系とか。
手描き友禅の世界はすごく掻き立てられた職種でした。
宮大工とか、仏師とか、最近ちょっと気になっています(結構、和の世界が好きかも)。

ということは、あの『其は匂ひの紫』(別窓)はけいさんの萌えの産物ですね?(笑)
因みに妄想が掻き立てられる服装は?
スーツにベージュのステンカラーコート(ビジネス・コート)は定番です(笑)。
後は袴姿かな(神主さんが抑制的で素敵・笑)。

分かります!袴姿は私も大好物でして、特に注目してしまうのは襟元ですね。懐から垣間見える鎖骨が何とも……あ、失礼いたしました。質問者が暴走しては困りますよね。
えと、暴走ついでに思わずエロいシーンを考えてしまう具体的な設定など、ありますか?
ありがちなんですが、飲みに行った帰りに酔い冷まし、あるいは飲みなおしでどちらかの自宅(もちろん独り暮し)に行った時に…とか。
お互い適度に酔った状態ですな。翌日には記憶が残っている程度の?
これは確かに「あんなこと」や「こんなこと」を考えちゃいますね!
例えば声優さんの中で、セクシーさを感じる声ってありますか?
大塚明夫さん(BJ、京楽隊長他)と、ジョージ・クルーニーをあてている時の小山力也さん。
俳優さん(あるいは漫画のキャラ)でセクシーだと思う人は?
生身では思い浮かばないんですが、アニメだとBL○ACHの京楽隊長ですね(笑)。
京楽隊長は私の妄想の中でも常に上位を占めていますよ。もちろん声付きで。ウフフ……



<創作について>

さて、ここからは色々と突っ込んだお話をさせていただきましょう。え?もうかなり突っ込んでいますか?まだまだですよ。せっかくの機会ですからね。今度は物書きの視点から、あれこれ質問させていただきます。
まず創作活動は、けいさんにとってどんな存在ですか?
唯一続いている趣味であり、ストレスを解消してくれるアイテムです。
書いている間は、その世界に没頭出来ますから。
書かないといられないってほどではありませんが、書けないとやっぱり寂しいです。

その原動力となるものは?
『萌え』と『反応』。
「これを書きたい」と思う萌えなアイテムとの出会いでしょう、やっぱり。
そして出来たものに反応を頂くと、次への気持ちが高まります。
それと『逃避』も原動力になる時があります(笑)。

アハハ!私、けいさんのこーゆーところ大好きなんですよ。とっても大人な考えを持たれているのに、本音をズバッと言ってくださるところ。
プロを目指している方は別として、我々のように仕事を持ちながら時間も体力も削って書いている、書き続ける理由は、そこですよね。萌え、反応、そして現実からの逃避!
あ、スミマセン。素敵な本音に、思わずテンション上がってしまいました。話を元に戻しましょう。

創作するに当たって、最も大切にしていることは何ですか?
言葉の意味は正しく、現実に在るものは、なるべく調べて使うようにしています。
フィクションは架空を書くわけですが、自分が、まずわかっていないと書けない性質なので。
物語進行上、表立って出てこないことでも調べて、自分が理解した上で使います。

そういう意味では、今連載されている『放課後シリーズ』(高校の弓道部を舞台にした小説・別窓)は、文章にするまでに相当時間をかけられたのではないかと思います。
特にシリーズ二作目の『彼は心理を眼鏡に隠す』(別窓)を拝読させていただいた時は、描写一つ一つが真に迫っているので、けいさんは弓道の経験があるのかと思ってしまいました。
弓道は前々から興味があって(白の道着に紺袴ですし・笑)、機会があったらチャレンジしたい題材でした。
でも経験がない上に、間近で見たことがなく、ネット調べてもなかなか感じが掴めないので、弓道の基礎教本を買いました。
それでも結構、適当で、雰囲気だけ(笑)。

『放課後シリーズ』と言えば、先日は当サイトの三周年記念に素敵な贈り物 『ある夏の日に』(別窓)をしていただいたんですよね。
あそこで描かれている唐沢北斗は、私が書くよりも格好良くて、それに『放課後シリーズ』の森野君との夢の共演でしょう?本当に感激しました。この場をお借りして、ありがとうございます!
いえいえ、逆に北斗兄ちゃんのイメージを損なうのではないかと、内心ドキドキでした。
普通の高校生になってしまって、カリスマ性が微塵も感じられない(笑)。
それに勝手に色々新キャラを作ってしまいましたし。
喜んでいただけて、逆に恐縮いたします。

私はむしろ、けいさんの描かれた北斗のほうがお兄ちゃんっぽくて好きですよ。『輝』の中では、主人公をいじめる役に徹してもらいましたから、もうちょっと兄貴らしくしてやれば良かったかなぁなんて、後悔したぐらいです。それに副部長役で登場した秋光君や、遥明学院高校から出演された皆さんとのやり取りが、個性的で面白かったです。
う〜ん、久しぶりに上芝君にも会いたいなぁ……あ、今のは独り言ですよ。決して新作の催促ではありませんから。(笑)
ところで、物書き以外の創作活動はしていますか?具体的にその内容は?
今はしていません。
昔は、アカペラの編曲とかしていましたが、最近は面倒くさくなっちゃって、すっかり他人まかせに(笑)。

小説、音楽と多才なけいさんですが、今度は具体的に作品に関する質問を……



<作品の思い出>

連載中の作品はネタバレの危険があるので、今回は敢えて『Slow luv』(別窓)『愛シテル』(別窓)に絞らせていただきます。

・『Slow luv』について
この作品を書くきっかけとなった事は?
私をお手伝いとしてイベントに誘ってくれた友人のお誕生日本として、『Op.1』とサイド・ストーリーの『And,it falls in love slowly』を書きました。
三度目のイベント参加の時(8月)、ちょっと気持ちが盛り上がりまして、ものすごく何かを書きたくなったんです。
そしたら降ってきたんです、設定の欠片が(笑)。
それだけでは多分、形にならなかったと思いますが、11月が友人の誕生日でして、再び書きたい気持ちを思い出させてくれた彼女に贈りたいと。
そこから広がったと言うわけです。

『Slow luv』は、私がけいさんと知り合うきっかけとなった作品でもあるのですが、このタイトルの由来は何ですか?
元は某アーティストのアルバム収録曲なんです。でも題名だけ。
内容も曲調も、全然イメージではなく、むしろアッシャー&モニカの『Slow jam』と言う曲の方が合っています。
だからそれと抱き合わせた感じで、最初は仮題としてつけました。
ゆっくりと進行する恋愛を書くつもりだったので、最終的にこの題名に決めました。
でも作中二年弱で恋は成就してしまった(笑)。

作者視点で見て、ご贔屓キャラとお気に入りのシーン(或いは台詞)を教えてください。
主人公の一人・中原さく也を、ある意味可愛らしく書こうと思って腐心したので、彼には愛着があります。
お気に入りのシーンは、Op.2のさく也が『シャコンヌ』を弾くところ。
ここを書くために何度も『シャコンヌ』を聴きました。
プラス冬を描くのが好きなので。

実は私、『シャコンヌ』を聴いた後のエツがごっつうツボなんです!
Op.2で少しずつ彼の過去から現在置かれている状況までが語られているでしょう?そこで、あの『シャコンヌ』ですよ。"さく也の音"が本物だったからこそ、本物だと分かるからこそ抱いてしまう感情が、切々と語られていて、私はあそこでエツのファンクラブを立ち上げてしまいました。(笑)
あはは、ありがとうございます。
さく也のような有無を言わせぬ才能がある人種は別として、音楽(或いは芸術)の道を通ってきた人間は少なからずエツと似たような経験をしてきていると思うのですが、けいさん自身、このような経験はありますか?
エツの人格的モデルはいないのですが、彼の音楽的エピソードに関しては、自分の経験も入っています。
エツは大学まで音楽の道を進み、そこで自分の限界を悟るわけですが、私は高校の時でした。
OP.2で大学の恩師が才能を惜しむのに対して、「才能には努力と度胸が不可欠。もし才能があるとしても、努力と度胸が伴わないかぎり、無いのと同じ」とエツは答えますが、あれは自分自身の言葉なんです。
練習しなくてもそこそこ弾けたので練習しない、でもそれはあくまでも「そこそこの出来」でしかなく、決して極めるに至らない…と気づいた時、音大への道は挫折しました。

「才能には努力と度胸が不可欠」とは、まさにその通りですよね。
自分の中に眠っているかもしれない才能という不確かな存在を、何処まで信じて努力できるか。私のような「そこそこの人間」は理性で才能を推し量ってしまうので、たぶんその時点でアウトなんじゃないかと思うのです。
職業柄、きらりと輝く才能をお持ちの人達に出会う機会が多いのですが、皆に共通していることは「不動の思い込み」。(笑)
乱暴な言い方かもしれませんが、本当にそうなんです。
才能の有無を問う前に、すでに彼等は努力している。才能を磨く事に何の躊躇いもなくて、周りから見れば本能が駆り立てるように映るから、天性の才などと言われることもありますが、結局のところ、自分の行く道を信じて疑わない姿勢が努力と度胸を生み、結果として才能を開花させるに至るのではないかと思います。
なんて、インタビューをする私のほうが熱く語ってしまいました。コホン。
では、動かすにあたって一番手強かったキャラと、苦労したシーン(或いは台詞)があれば教えてください。
手強かったキャラはいませんが、苦労したセリフはOp.4の、加納悦嗣が中原さく也に言った「好きだよ」
これは最後まで、語尾を「〜だ」にするか、「〜だよ」にするか迷いました。
大した問題ではないと思いますが、今でもまだ読み返すと悩みます。
気分的には「愛してる」なんでしょうけど、日本人(自分のキャラの)に言わせるのは違和感がありまして。

構成の段階で、現在掲載している内容とは違うエンディングを考えたことはありますか?
それはないです。
書く時はラスト・シーンをまず思い浮かべ、それを書きたいがために書くので。
ただ私の言うラスト・シーンは、純粋に最後の最後のシーンではなかったりします。
例えば『Slow Luv』では、Op.4-4の後日談を省いた部分が相当します。
後日談はまあ、収まりがいいように書いたってわけでして(笑)。


・『愛シテル』について
『Slow luv』と同じ質問をさせてください。この作品を書くきっかけとなった事は?
『Slow Luv』に登場させた中原さく也の弟が気に入ってしまって、どうしても彼を主役にして、双子の兄とは違う恋愛物を書きたくなって、書きました。
タイトルの由来は?
恋愛書きでありながら、どうしても「愛している」って言葉を使えなくて、この話では思う存分使ってやろうと言う気概が題名に表れた次第です(笑)。
送り仮名をカタカナにしたのは、ラスト・シーンを見越して。

ご贔屓キャラとお気に入りのシーン(或いは台詞)を教えてください。
そりゃなんたって、中原りく也です。彼は今のところ、サイトの中で最強です(笑)。
お気に入りのシーンは[+14-a June]の終盤、ホテルのロビーでのやり取り。
目を押さえるりく也の手を、ユアンが外すところ。

動かすにあたって一番手強かったキャラと、苦労したシーン(或いは台詞)があれば教えてください。
こちらも手強いキャラはいなかったのですが、苦労したのは[+4 September]です。
これは「9.11」直後のマンハッタンを舞台にしているのですが、題材として使うべきかどうか、すごく迷いました。
あれほどの惨事、いろいろな意味合いを含む事件でしたし、犠牲者も尋常じゃない。
それほどの事件を、BLの題材として使っていいものかどうなのか。
主人公の、ある一面を描きたかったので使ってしまいましたが、なるべく熱のないように、グラウンド・ゼロの描写に明らかな嘘がないように書くことが、難しかったです。

ここは私もけいさんが悩まれている舞台裏を知っているだけに、変な言い方ですけど、「襟を正して」読ませていただきました。
表現の自由と言いますが、言葉は時として暴力になる。だからこそ、扱う者は節度を持って向き合わなければならないのに、その基準は何処にもなくて、一般的な意見をもとに自分なりの判断を加えて作り上げていくしかない。まず掲載するか、しないか。掲載するとして、どこまで表現するか等など、そうした過程を経て出来上がった作品だと知っていたので、襟も姿勢も正して拝読した記憶があります。
あの節はお世話になりました。グダグダな愚痴にお付き合い頂いて、きっとあおばさんには御迷惑だったかと。
でも聞いて頂いたおかげで、何とか踏み切れました。

とんでもないですよ。ちょうど私も『輝』の第二部をアップした頃だったと思いますが、私自身、ジャンの扱いについて考えるところもあったので、他人事ではなかったんです。実際、私のほうが励ましてもらったような?本当にお世話になりっ放しで……(汗)
では、作品に関する最後の質問です。
構成の段階で、現在掲載している内容とは違うエンディングを考えたことはありますか?
『Slow Luv』の質問のところでも書きましたが、違うラストは考えたことがないです。
『愛シテル』のラスト・シーンは[+19 April]の「愛シテル」の掛け合いのところです(天啓でした・笑)。
あ、でも、エピローグは細かいところを変えたかな。大筋は同じなのですが、号泣させるかどうするか。
結果はあれです(笑)。


ここからは少しくだけた質問をさせていただきます。



<物書きとして>

まずは短編、長編、どっち体質だと思いますか?
紙媒体の計算で短編。オンラインだと中編くらいになりますか。
シリーズ体質(笑)。

その体質を改善しようと思う、それとも受け入れている?
いえ、もうあきらめてます、シリーズ体質は(笑)。
体質はなかなか変えられませんよね〜。私もこの長編体質をどうにかしなくてはと思いつつ、意思に反して作品は大河級になっていますから。(汗)
続いて苦手な分野、得意分野、チャレンジしてみたい分野についてお聞かせください。ファンタジーを書いてみたいとか、現代小説を究めるとか?
苦手なのは自分の目で見られないものが出てくるジャンルで、つまりはファンタジーとかSFとかになります。
特にファンタジーは、書こうとしたら絶対、キャラ達が旅に出てしまいます(笑)。
国を作ったり、社会規範を作ったり、人種を作ったり…と、主要人物が登場するまでの間に短編一本くらいページ数を使っちゃいかねない。
だからファンタジーはチャレンジしたいと思いませんが、スペース・オペラは書いてみたいです(まあ、無理でしょうけど)。

ストーリー(アイディア)が浮かぶ時は、どういう状況が多いですか?
仕事中とか、優先的に嫌なことをしなくちゃならない時。
つまり逃避を必要とする状況の時です(笑)。

やはり逃避は、我々にとって侮れない原動力のようですね。(笑)
ではその逃避によって(?)芽生えたネタを、どうやって保存しますか?メモ、録音、どんな時でもパソコンへ直行?
手近にある紙にメモします。
レシートとか、広告の端とか、口元を拭くナプキンに書いたこともあります。

文章を書いている時の必需品は?飲み物、音楽、タバコ、お酒など?
飲み物。お茶のペット・ボトルは絶対、机の上にあります。
以前は音楽をかけていたのですが(主に洋楽)、最近はそれが邪魔になってきまして、集中して書きたい時は基本、無音に。


キャラ作りで参考にされるものとか、ありますか?
いやあ、あんまり考えたことありませんねぇ。
気がついたら、話と同時にキャラが出来上がっているので。

頭の中でキャラが動く時、二次元(漫画)派?三次元(生身の人間)派?
二次元派。常にキャラは、某プロ漫画家の絵で動いています(笑)。
二次元派の場合、そのキャラに声優さんは漏れなくついてきますか?
「もしアニメになったら」って想像した時に考えるだけで、漏れなくとは言いがたいです。
三次元派の場合、それは身近な人を参考にすることが多いですか?それとも道行く人?
三次元派じゃないので。
でもこれも、「演じて欲しい俳優」と言う形で考えたことはあります。

完結後の作品は忘れるほうですか?それとも、しっかり覚えているタイプ?
忘れることはありませんが、細かい部分は忘れていたりします。
サイド・ストーリーとか続編を書く時には、読み返さないといけないことが多いです(笑)。

ご自身の作品を二次作として楽しむことは?
今のところ、まだないですねぇ。



<プライベートな質問など>

ところで、けいさんは日頃どんな生活をされているのですか?
勤め人です。毎日10時間以上、働いています。
でも夜更かし人間でして、創作の時は完全夜型。

えっ?10時間以上も働いているのですか?そんな長時間労働の中での創作活動とは、知りませんでした。す、すごい……!
そうなると休日はぐったりでしょうねぇ。
休日はぼんやり引きこもっています。
昔は休みになると必ず、繁華街にウィンドウ・ショッピングに行ったものですが、今はすっかり出不精になってしまい、駅ビルのショッピング・センターで済ませてしまいます。
でも休日の朝食は、スタバかドトールに食べに行きます。唯一の贅沢(昔はちょっと値のはるランチを、「お一人様」で食べに行ってました)

最近ハマっているものは何でしょう?
オヤジ・パラダイスな某深夜アニメ(放送終了済)にダダはまりです(笑)。
もうオヤジスキーにとって、夢のような物語でした。

ストレス解消法とか、ありますか?
食べる(笑)。
小贅沢するときもあります。
朝はモーニング・サービス、昼はイタリアン・ランチ、各洋食器メーカーの喫茶室でアフタヌーン・ティして、夜はデパートのお高めの惣菜を買い込む(笑)。

なぁるほど。

それでは、ここで我々共通の話題を。
オヤジ・スキーという事で、ずばりお聞きします。理想の男性像は?やはりオヤジ年齢でしょうか?
自分の年齢がもう、オヤジ年齢の範疇ですからね(笑)。
束縛・干渉しない、自由にさせてくれる人が理想。お互い、好き勝手に過ごす。

その男性にこんなシチュエーションで告白されたいとか、特別な恋愛観、或いは彼専用の展開を考えたことはありますか?
ないです。
多分、恋愛に関しては淡白な方だと思う。
とにかく「放っておいて欲しい」タイプなので、恋愛を楽しむのは無理かと思います。

恋愛に関しては猫型なんでしょうかね?
私もあれこれ決まりを作られたりするのは苦手です。お互い自分の領域があって、少しの接点と多くの自由を確保しつつ、共存できれば良いかなと。それとも、これは年齢のせい?いやいや、お互いに……(苦笑)
年のせいもありましょうね(笑)。
ほら、年取ると子供返りするって言いますし、独り身が長いと、その身軽さに慣れてしまって、余計にわがままになってしまいます。


最後に「もしもシリーズ」を二つほど。
貴女に一週間の休暇と一千万円が舞い込みました。さて、どうしますか?
別々に使うことも可能です。
一千万円の半分は貯金、残りで一週間、リッチなホテル暮らしをします。
貯金するのは、また違う機会に使えるから。

なかなか堅実な使い方ですね〜。
私の場合、最近分かってきた事なんですけどね。どうやら無駄遣いが多いようなんです。
今春引越しした時に、記憶に無い品々が山ほど出てきて、それでようやく自覚しました。
だから私の懐に一千万円の大金が転がり込んだとしても、大事に使おうと思いつつ、何年後かに気が付いたら無くなっていた!ってパターンになりそうです。(苦笑)
さて、これがラストになります。
もう一度、人間に生まれ変われるとします。歴史上の人物として、過去に生まれ変わることも可能です。誰に生まれ変わりたいですか?
う〜ん、歴史上の人物はいないですね〜。
もし過去の記憶を持ったまま人間に生まれ変われるなら、もう一度自分に生まれ変わって、人生をやり直します。
もっと勉強するとか、ピアノを一生懸命練習するとか。
過去の自分の反省すべき点を反省して、苦労のない人生を送りたいなぁ。
でもそうなったら、多分、創作活動はしていなかったでしょうね。



いや〜、長々とお付き合いくださりありがとうございました。暴走気味の質問、発言もあったかと思いますが、丁寧に答えていただいて、恐縮しております。
こちらこそ、とても楽しかったです。
素敵な三周年になりました、ありがとうございました。

いつも温かい言葉で接してもらって、私が落込んでいる時には励ましを、困っている時には的確なアドバイスをくださり、本当にありがとうございます。
感謝の気持ちを表すつもりの企画だったのに、質問者の私のほうが立場を忘れて楽しく語ってしまいました。物書きのくせに上手い言葉が見つかりませんが、この対談の長さが、想いの丈だという事にしておいてくださいっ!
最後になりましたが、サイト開設三周年おめでとうございます。どうかこれからも素敵な作品を書き続けてくださいね。